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クーデルカという物語
2000年3月 公開
このサイトを御覧の方には僕の制作した
RPG「クーデルカ」を未プレイの向きも多いと思う。
手短に説明すると、19世紀のイギリスはウェールズの
片田舎にある今は廃墟同然と化したある修道院を舞台に、
クーデルカという19才のジプシーが出会う様々な
怪異をテーマにした、いわゆるモダンホラーと
呼ばれるジャンルに属するゲームである。
僕はこの作品のコンセプトに始まり、キャラクター設計、
マップ構成、シナリオ、ムービーや
モーションキャプチャーイベント部分の
ディレクション等など、様々な種類の仕事をした。
基本的な部分の組み立てには約3ヶ月ほど要しただろうか。
全部で100冊以上の本に眼を通したが、
物語の発想の土台となったのは、
「幽霊狩人カーナッキ」という本であった。
短編集で、主人公である怪奇現象研究家カーナッキが、
様々な「怪異」と「怪異に見えるもの」に遭遇し、
あるものは解決し、あるものは良く分からないまま
終わる(笑)という、味わいのあるホラー小説集だ。
興味のある方は是非一読されたい。
さて、僕が物語を組み上げる段階でこだわるところは、
歴史上の事実を曲げないということである。
実際に起こったとして、記録に残っている様々な事件を、
相互に関連付け、その隙間を虚構で埋めていくという
やりかたが僕は大好きだ。
同じ嘘をつくのでも、まったく根拠も無く考えるのと、
事実に基づいてその基盤を組み上げていくのとでは、
細かい部分でのリアリティーが違ってくる。
だから、クーデルカという物語には、
プレーヤー諸氏が考えているよりも、
ずっと多くの史実が含まれている。
エドワードやロジャーが実在の人物である事など、
歴史に興味のある方は、調べてみられるのも一興かと思う。
1898年は科学と迷信がせめぎあう世紀末の、
まさに移り変わる一瞬を捉えて興味深い時代である。
明ければすぐに1900年、近代科学文明の浸透の
象徴ともいうべき、パリ万博が開催される。
そしてそれこそが、僕がクーデルカの続編と
目論んでいた物語の舞台なのである。
ウェールズを描くために、ロンドンやペンブロークに
足を運んだのと同じように、僕はパリやベルギーに
取材をするつもりだった。
(パリ万博に出展されていた建物が、当時の
ベルギー王の要望で買い取られ、
ブリュッセルに現存するのだそうだ)
会場から郊外を結んで建設された地下鉄と、
そこで起こる怪異。エースネクスト誌連載中の
漫画版のエピソードを終えたクーデルカが、
拠ん所ない事情でパリを訪れ、地下に巣喰う
亡霊どもの争いに巻き込まれていく。
実はクーデルカの続編は、僕の頭の中では4作目まで
出来ている。第一部イギリス、第二部フランス・・・
とくれば、第三部はアメリカである。
時代は大きく跳んで、1973年アメリカはシカゴ。
主人公は、シカゴ大学で教鞭を取る文化人類学者、
クーデルカ・ロードメル。
クーデルカの娘アメリアが後に渡米して産んだ子供で、
つまりは孫だ。ベトナム戦争末期とあって、
帰還兵が持ち帰ってしまった悪霊が、
様々な殺人事件を引き起こすのを、まだ生きている
ロジャーの助けを借りて解きあかしていく。
(ちなみにロジャーはスーツを着て出てくる)(笑)
そして第四部は1984年奈良。
関西大学で教える友人の宗教学者の元を訪れたクーデルカは
何者かに命を狙われ、陰陽師や式神と戦う羽目になる。
奈良の巨石墳墓や京都の町並みが、
雰囲気造りに一役買うだろう。
残念なことに、今のところ僕がそれらの
続編を作る予定はないが、
小説のようなものであれば、書いてもいいかなあと思う。
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