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Library : 教えてあげたいこと

教えてあげたいこと

2000年3月 公開

物を創る仕事に就いた先達として、
教えてあげられることがある。
例えば、スタッフ募集に応えて集まってくる人達。
どうしてあれほどまでに自分の中の引き出しが少ないのか。
今さらそれを責めるつもりは無いが、
ひと事ながら心配になるほどに、勉強不足な人達。
そこから勉強する気が無い人を除くと、
後に残るのは、勉強の仕方がわからない人達だ。
君、本を読んでいるか?と聞くと、読んでないという。
君、映画を見ているか?と聞くと、見ていないという。
それでは漫画を読んでいるか?と聞くと、
週刊誌は読むという。いったい毎日、
何をしているのだろうと思う。
TVドラマとかは、見ていたりする。
どうやらゲームもやっているようだ。
でも、何かに興味を持って深く調べたり、
愛着を持ってこだわったりはしない、
そういう人がとても多い。
ごく普通の市井の民として暮らすのなら、
何の問題もないのだが、それでクリエイター志望です
とかいわれても、困るのである。
もっと端的に言うと、勉強しない人は成長しない。
成長しない人とは、一緒に仕事が出来ない。
それではいけないから、
僕は勉強の仕方を教えてあげたいのである。
時間を有効に使う方法を身につければ、
僕のように寄り道をしないで済む。
本当は、自分の知っていることなら、
なんでも教えてあげたいのである。
僕が持っている知識やテクニックなど、
知れたものではあるが、それでも、いざ自分で手探りに
学ぶとなれば、4年や5年はかかるだろう。
人に聞こうとしても、簡単に教えてくれるほど、
世の中は甘くはない。
でも、できれば僕は教えてあげたい。
人材を育てるために。
一緒に頑張ってくれるだろう人達に、
早く成長してもらうために。
教えてあげたいのである。
まず、レンタルビデオ屋に行って、
毎日一本づつ、ビデオを借りて観ること。
ジャンルは無作為の方が良い。
好き嫌いは挟まず、中身の詮索も無し。
それを、毎日一本づつ、一ヶ月間続ける。
さて、ビデオを30本見たところで、
一本も心に残るものが無かった人は、
「物を見る眼」か「運」のどちらかが無い人だから、
あきらめて故郷に帰った方が良かろう。
ある人は、30本見た中で、いちばん心に残った作品を、
さらに10回見ること。
そうすると、なぜ自分がその作品に惹かれるかがわかる。
わからない人は、自分を客観的に
見ることの出来ない人だから、
あきらめて故郷に帰った方が良かろう。
自分が何に惹かれるかがわかった人は、
そのテーマに沿ったビデオを探して、
どんどん見ていけば良い。
だいたい、100本も見たところで、
クリエイターとしての自分の核が固まってくる。
そうならない人は、
もともと表現すべきものを持っていない人だから、
あきらめて故郷に帰った方が良いのである。
自分の核が固まったら、しめたものだ。
後はひたすら、突き進んでいけばいい。
注意しておくが、この過程で、
絶対に他人の意見を聞いてはいけない。
自分と向き合い、自分の中から出てくる気持ちに
正直になることが、肝要である。
お試しあれ。


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