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Library : フェアに行こう

フェアに行こう

2000年3月 公開

なおざりにされやすいことだが、
ゲームの敵キャラとプレーヤーキャラは
対等でなくてはいけない。
少なくとも、外見上はそう見えなくてはいけない。
明確な理由もなく、戦いの条件に不公平な要素が
持ち込まれてはいけないのである。
例えばRPGで、プレーヤー側のHPを見て、最も少ないキャラを
優先して攻撃してくる敵がいる。
敵にはプレーヤーキャラのHPが見えているのである。
そのくせ、敵キャラのHPはプレーヤーに開示されない。
これはいわゆる、作り手側のズルである。
その敵キャラに、相手のHPを探知するというスキルがあるとか、
ルールや理屈でフォローされているならともかく、
何の理もなく当たり前のようにそういう攻撃をされては、
プレーヤーは無力を感じざるをえない。
同様に、シュミレーションゲームで、
プレーヤーキャラの移動範囲のギリギリ外側で
待つ敵キャラも嫌なものである。
プレーヤーは敵を調べてもその移動範囲までは
わからないのに、敵はプレーヤー側のデータを全て利用できる。
まことに理不尽というほかはない。
ゲーム作り=ルール作りである以上、その世界での
プレーヤーの自由に制限が科せられるのは、
当然のことではある。だが、
プレーヤーが縛られている規則やフォーマットがあるなら、
敵キャラもそれに縛られなくてはいけない。
ルールというのは全員がそれに従うからルールなのであって。
そうでなければただの独裁である。
また格闘ゲームのCOMのアルゴリズムで、
プレーヤーの投げコマンドが入力されたのを見てから、
しゃがんでそれを回避するというとんでもないものがある。
これで良しと思える人は頭がおかしい。
とくに元来、人間と人間との対戦を基準に作られた
対戦格闘であれば、この部分には最も
気が配られなくてはいけない。
COMは出来うる限り正確に
人間をシミュレートすべきであって、
絶対に、人間に不可能なことをやってはいけないのである。
絶妙のタイミングでコンボを繋ぐ、それはいいだろう。
数フレームで複雑な投げコマンドを入力する、
それも良い。人間が修練の結果、
収得できるような要素ならば許せるのである。
しかし、いくら修練しても、
相手の投げモーションが発動したのを「見て」から
それに反応して、しゃがみコマンドを入力するのは、
絶対にできないのである。
明らかに人間にできないことをされて勝負に敗けても、
頑張って勝とうという気は起きないものである。
格闘ゲームなんて中身を開けてしまえば
面白くもなんともない。
データとして判定されているのは入力コマンドだし、
フレームとタイミングが勝敗の全てである以上、
正確さにおいて人間がCOMにかなうはずはない。
敢えていえば、ゲームにおけるプレーヤーキャラと
COMキャラとの戦いは、
元々フェアでもなんでもないのだが、
しかしそうであるからこそ、いかにフェアに
見えるように演出するかが重要なのである。


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